オヤノミカタブログ

株式会社オヤノミカタ 代表取締役 1978年生まれ。在学中にWeb制作を始め、その後、IT業界で活動。ワーカホリックな会社員生活から、一転、子育て中心の主夫生活へと移行し、子育てにおける両端の立場を経験。36歳で株式会社オヤノミカタ設立。滋賀県大津市在住。3児のパパ。

山田優の次は誰? ママタレの子育て炎上から、子育てのスタンダードを考える。

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こんな記事を見かけました↓↓↓

気になったので、ママタレの子育て炎上について調べてみると・・・

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けっこう出てきますね。

なぜ、こういった子育て炎上が起きるのでしょうか。そこには、「子育てしにくい」日本の社会が透けて見えます。子育て炎上の背景にいったい何があるのか、考察してみたいと思います。

子育てのスタンダードは、時代とともに変化する。

批判的な意見の多くは、「こどもがかわいそう」、「母親の自覚が足りない」といったものです。一方、擁護派の意見は、「母親に多くを求め過ぎ」、「ほっておいたら?」といったもの。どちらの言い分も分かるだけに、やはり難しいトピックなんだなと思います。

そもそも、「親はこうあるべき」、「子育てはこうすべき」という子育てのスタンダードって、絶対的なものではありません。こちらは、国や時代によって育児書の内容がどのように変化しているかを研究した本です↓↓↓

育児の国際比較―子どもと社会と親たち (NHKブックス)

母乳 or ミルク、添い寝 or ベビーベッド、甘えさせる or 我慢させる、体罰容認 or 禁止、などなど、子育てのスタンダードが国や宗教によって異なることが分かります。また、時代の変化によって、さま変わりしていることも分かります。今の子育てと30年前の子育て、そして、30年後の子育てでは、「こうあるべき」というスタンダードが違っているのです。

ベビーカー論争などで「若い母親は甘やかし過ぎ」という意見が中高年の先輩ママから出るのも、便利になったことへのやっかみだけではなく、「自分を犠牲にして頑張ることがよいこと」という当時のスタンダードが自分の中に信念として強く残っているからだと考えられます。いわゆる、良妻賢母のイメージです。

スタンダードの変化が、個人差を生む。

ママタレの子育て炎上が起きるのも、子育てのスタンダードが変化していることに関係していると考えられます。

子育てのスタンスは、自分が育てられた環境に大きく影響されるので、情報がアップデートされていない人は、当時のスタンダードである良妻賢母のイメージを持つことになります。そういう人にとっては、親がこどもより自分を優先させているかのような振る舞いには、ひとこと物申したくなるでしょう。

逆に、今の世の中に合った子育て像を強く意識している人からすれば、批判派の意見は前時代的に映ります。特に今は、男女が平等に育児に取り組む方向に向かっているので、「前時代的な発想の人がいるから、世の中が良くならない。彼らこそ元凶」として敵視する人も出てきます。

こうやって、スタンダードの変化に伴い、子育てのスタンスにも個人差が生じます。どちらかが正しくてどちらかが間違っている、というものではありません。そう考えると、ママタレの子育て炎上も、まあ自然なことで、一方的な批判ではなく賛否両論あるのですから、それはそれで問題ないと捉えたほうがいいでしょう。

「こどもばかりではなく、自分自身も大切にする」というスタンス。

では、今の子育てのスタンダードは、いったいどのようなものでしょうか。これを見極めるのは、なかなか難しい作業です。

皆、子育てのスタンダードが変化していることはなんとなく認識していて、「さすがに良妻賢母は今の時代感に合わないよね」と思っているでしょう。でも、「こどもばかりではなく、自分自身も大切にする」というスタンスが、世間一般で認知されているかと言われると、どうでしょうか。ママタレの子育て炎上事案を見ている限りでは、認知はされているが、スタンダードとまではいかないようです。

ただ、世間の認識というものは、少しずつ変化していくものです。初めは非常識と非難されていたことでも、徐々に認知されていけば、いずれはスタンダードになりえます。ベビーカー論争でも、「ベビーカーは折りたたまなくてよい」という明確な答えが出るまで、紆余曲折ありました。

今の流れからすると、「こどもばかりではなく、自分自身も大切にする」というスタンスがスタンダードになるのも、時間の問題だと思います。でも、今はまだ少しだけ前衛的なようです。

サイボウズ「ワークスタイルムービー第2弾」が1つのヒントに。

結局のところ、時代感を外して一方的な批判の的にならないようにするには、今の子育てのスタンダードを見極める他ありません。そこで、1つのヒントとなりそうなのが、昨年末に物議をかもしたサイボウズ「ワークスタイルムービー第2弾」です↓↓↓

働くママたちに、よりそうことを。|cybozu.com

世の中のワーママたちを応援し、仕事環境を変えていきたいという目的で作られたもので、第1弾の「大丈夫」編では、働きながら子育てに奮闘するワーママの姿がリアルに描かれていて、人々の共感を呼び、絶賛の嵐となりました。

しかし、その続編である第2弾「パパにできること」編では、共働きにもかかわらず、育児のほとんどを背負わされているワーママ自身が、そのことに疑問を持っていないかのように描いてしまったことで、「そこを啓蒙しなくてどうする」、「世の中のワーママはそんな風に思っていない」と、批判が殺到してしまいました。

「パパとママが平等に子育てを担当する」というスタンス。

正直、わたしも第2弾の内容には違和感を覚えました。ムービー製作者側の意見もWeb上に散在していたので、いろいろ目を通しましたが、どうやらそういったことも理解した上で、あえて啓蒙のレベルを下げたようです。「母親が子育てをするのが当たり前」と思っている層に対し、少しでも気づきを与えられるような設定にしたと。

実際、そういった層に対して効果があったのかどうかは、Web上の投稿を見た限りでは分かりませんでしたが、批判が殺到したという事実から考えると、「パパとママが平等に子育てを担当する」というスタンスが、すでに一定の認知を獲得しているということが分かります。そういうスタンスの人には、前時代的でまと外れなものと写ってしまったんですね。

前時代的なスタンスの人に届けたいというサイボウズさんの想いとは裏腹に、前衛的なスタンスの人が先に食い付いて批判するという、皮肉な結果となってしまいました。「誰に届けたいか」よりも「誰が興味を持ってくれるか」を考えないといけなかった、ということでしょう。

この事例からは、前衛的なスタンスだけでなく、前時代的なスタンスも批判の対象となりえるということが分かります。つまり、「良妻賢母であれば叩かれない」という訳でもないということです。サイボウズさんの場合、前衛的なスタンスの人を味方につけたほうがムーブメントは起こしやすいと思うので、次作ではそちら側のスタンスに寄せていただきたいな、と思います(サイボウズさん、応援していますよ)。

母親の「手抜き」を、「手抜き」ではなくする。

いろいろな事例を参照することで、今の子育てのスタンダードがどのようなものか、見えてきたのではないでしょうか。その上で、最後に、わたし自身の考えを少しだけ述べたいと思います。

11年間、子育てをしてきた1人の親として、「こどもばかりではなく、自分自身も大切にする」という考え方はとても重要で、もっと世間に認知させるべきものだと思っています。「親は自分を犠牲にして頑張るべき」という考え方が、子育てを大変なものにしていると感じるからです。

わたしが考える理想の形は、「こどもを社会全体で育てる」というものです。母親が多少「手抜き」をしても、それを他の人がカバーできる社会を築いていくべきだと思っています。今はまだ、母親が「手抜き」することを許してもらえない社会、100%全力を尽くしていなければいけない社会です。でも、他の人がカバーするのが普通になれば、それはもう「手抜き」ではなくなります

ママタレの子育て炎上も、「きれいに着飾って自分を大切にしているママタレが、少しでも手抜きをすることが許せない」という構図だと考えられるので、批判にめげず、世間の認識を少しずつ変えていって欲しいと思います。

トピック「叱り方」について

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